闇深きカースト制度
【沖縄おじさんの人生遍歴ブログ Vol.17】
高校に入って数ヶ月。人間観察が好きなおじさんは、ある日気づきました
この高校には、カースト制度があると
おじさんが通っていた高校は部活動が活発で、何もかもが、部活動メンバーを中心に回ってました
知らず知らずのうちに、彼らを頂点とする身分階級のピラミッドが構築されていたのです
おじさんの独断と偏見で分けた身分階級は以下の通りです
・一軍・・・野球部、サッカー部、バスケ部のレギュラーまたは中心メンバー
・二軍・・・バレー部、ハンドボール、卓球部など一軍以外の部活動メンバー
・三軍・・・部活はやっていないが、ダンサー、スケーター、ちょい悪なイケメン
・四軍・・・部活をやっていない平民たち
・五軍・・・二次元、アイドル、その他マニアックな趣味をもつイケてない人たち
おじさんは、四軍に所属していました
バンドをやっている、というと一見イケてる人らのカテゴリーじゃないの?と思うかもしれませんが、少なくともおじさんが高校生の頃は、バンドをやってたからといってチヤホヤされる事もなく、クラスでもいたって目立たないザ・平民という感じでした
しかし、そんな平凡な高校生活を一発逆転するような、千載一遇のチャンスが訪れたのです
高校では様々なイベントがあります。新入生向けの部活紹介イベント、校内陸上大会、体育祭、学園祭、球技大会などなど
その中でも一番盛り上がるイベントが、体育祭や学園祭の後にやる生徒だけのイベント、「後夜祭」でした
後夜祭では例年、ダンス、コント、バンドのパフォーマンス枠があり、どれも出演枠が決まってて、オーディションを勝ち抜かないと出演できませんでした
もちろん、どれも一軍や二軍メンバーが占める事はいうまでもありません
しかし、ドラムはやっている人が少ないので、なんとおじさんにも、上級生からバンドを組んで後夜祭に出演しないかという誘いがきました。もちろん、即決です
確かブルーハーツとかハイロウズのコピーをやったと思います。メンバーは一軍の先輩なので落ちるはずもなく、見事オーディションを勝ち抜き、出演できる事になりました
おじさんの高校の後夜祭は、他校の生徒が潜入して観に来るほど盛り上がりがすごく、後夜祭に出れれば一躍クラスのヒーローでした
しかしその分出演希望者の層も厚く、出演枠を勝ち取るのは困難です
そんな後夜祭に一年生で出れるなんて事はまずなくて、もちろん、当時一年生で出たのはおじさんただ一人でした
後夜祭当日。ライブは大盛り上がりで、大成功。気分はさながらM-1の決勝戦に出た芸人のようで、これで俺の高校生活が変わったと、確信しました
後夜祭の一番最後は、運動場で学年ごとに男女に分かれてフォークダンスをするという謎のプログラムがありました
なんせ一年生で唯一後夜祭に出演したおじさんです。いざフォークダンスが始まると、いろいろな女子が
「ドラム、良かったよ」
「今度、ライブ観に行っていいかな?」
「なんかさ、改めて見ると、君ってかっこいいよね」
「今って、彼女いるの?」
などと、声をかけられるだろうと期待していたんですが…
誰からも声をかけられずに、後夜祭が終わりました
まぁさすがにあんな短い時間では話かけられないか。そもそも女子の方もスターになった俺に緊張して話しかけられなかったかもしれないし!
と恐ろしいほどポジティブに脳内変換し、今後の学校生活に期待しました
そして週明け。期待に胸膨らませながら教室に入りましたが、待てど暮らせど女子からは声をかけられず
男子からはちょくちょく反応はあって、それまで知らなかった生徒からも声をかけられたんですが、女子からは皆無です
当時は、なぜ声をかけられないのかまったく意味不明でしたが、その後もバンドを続けていくうちに、そのからくりがわかりました
女子高生って、ドラムを観ないんです
女子高生がバンドを観る時は、ボーカル7割ギター2割ベース1割で、誰もドラムなんて観ないんです
そして結局、おじさんの身分は変わらず、四軍のまま高校三年間を過ごすのでした
♪今日の一曲
悲しきASIAN BOY / THE YELLOW MONKEY