謎の王様に救われたという話
【沖縄おじさんの人生遍歴ブログ Vol.57】
2009年、初めて行ったROCK IN JAPAN FESTIVALで、東京のフェス友達ができました
sanboo.hatenablog.jp彼の名前はつっちー。パッと見、沖縄人かと思うほどはっきりした顔で、モンパチ好きの心優しい友人です
2009年の11月。今でも続いているモンパチ主催のフェス「What a Wonderful World!!」の1回目があり、東京から来たつっちーと、ROCK IN JAPANにも一緒に行った会社の同僚や友達たちと行きました
今でこそ会場は那覇から近い豊見城市の豊崎ですが、第一回目は遠く離れた読谷村で、臨時駐車場は会場からかなり離れた場所にあり、会場までのバスに乗るのすらかなり並ばないといけない状態で、インフラ面はまだ発展途上のフェスでした
第一回目は、唯一のオールナイトでの開催で、出演アーティストはモンパチ、ホルモン、JITTERIN'JINN、サンボマスター、RIP SLYME、山嵐、Dragon Ash、小田和正など豪華なメンツ
これだけ豪華なメンツを沖縄に集めてくれたモンパチに感謝の気持ちしかないです
会場に入場するまでは時間がかかり正直大変でしたが、いざ入場すると海風が心地良く、いろいろな飲食店やトイレも充実していて、なかなか快適な環境でした
つっちーや友人達とシートを共有し、酒を飲み交わしながらみんな思い思いにライブを観にいき、各々で楽しんでました
会場にはフェスらしく、色とりどりのバンドTやフェスTを着た人がたくさんいましたが、その中にはなぜか、ディーブ・パープルのカバーで一時期メディアに露出していた「王様」のコスプレの人もいました
なぜに王様!?とつっちーと爆笑し、後で合流した同僚に「王様がいたよ!」と伝えてもまったく伝わらず。フェスの高揚感と酔いもあって、そういうやりとりがまた面白く、楽しい時間でした
おじさんのその日一番の目当ては、深夜2時頃に出演予定のRIP SLYMEでした。オールナイトの深夜でRIPを観れる機会はそうそうないので、めちゃめちゃ楽しみにしていました
しかし…酒が強い同僚と同じペースで昼から酒を飲み続けた結果、RIPの時には記憶をなくすという、ロックインジャパンの時と同じ失態をやらかしてしまうのでした
すっかり泥酔してしまったおじさんは、RIPのライブの後、拠点のシートに戻り、いつの間にか寝てしまってました
それからどれくらい経ったのかわかりませんが、ふと目が覚めると、あたり一面土砂降りでシートもビシャビシャ、あれだけ人で埋め尽くされていた会場には人一人いなくて、ただっ広い会場にはおじさんただ一人だけでの状態した
何が起きたのかわけがわからずあたりを見渡すと…テントの中に大勢の人がすし詰め状態で避難していました
テントに避難した何百何千もの人の視線は、ただっ広い会場にただ一人でびしょ濡れになっているおじさんに注がれていました
彼らの目は「あいつ…生きてたんだ!」「まさかあんな土砂降りの中、寝てたの?」「あの人、今絶対恥ずかしいだろうね…」などと物語ってて
それらの視線にいたたまれなくなったおじさんは、何事もなかったかのようにただただ平静を装うしかありませんでした…
結局その後も、時折弱まったりしつつも、雨はずっと降りっぱなしでした
最初はテントに避難していた人たちも、止みそうにない雨脚に次第に諦めて、帰宅する人が増えていきました
土砂降りの間一旦中断していたライブが再開されると、開き直って濡れる事を覚悟したお客達が集まり、逆にテンションも吹っ切っててとても楽しい雰囲気でした
おじさんと同僚とつっちーの3人も、雨の中最後までフェスを堪能しました
夜が明け、最後の音が止み、楽しかったフェスが終了しました
そこからは地獄でした…。まだインフラ面が発展途上だったので、なんと帰りのバスに乗るまで2時間も、立ったまま長蛇の列に並ばなくてはなりませんでした
オールナイトでろくに寝ていない、びしょ濡れで疲労困憊の身体でただでさえしんどいのに、何が辛いって列が曲がりくねってて先が見えないので、あとどのくらいでバスに乗れるのかまったくわからない状況でした
次の列の先にある曲がり角を曲がればバスがあるのかと思いきや、曲がった先にはまた長蛇の列で先が見えない…という状態が2時間ひたすら続きました
最初はお互い口々に楽しかったなーと会話していたのが、そのうち間が持たなくなりしりとりとかゲームを始め…それすら飽きてしまい無言になり…気がつくと立ったまま寝てたり…疲労と先が見えない事へのイライラで、おじさんらも列の人らも極限状態になっていきました
今思うと、よく暴動が起きなかったなと思います
並び疲れて意識が朦朧としたその時…行列から抜けて脇道に歩いて行く1人の人が視界に入りました
その人は…会場で見かけたあの王様でした
あの格好で最後までいたなんて!咄嗟に同僚とつっちーの肩を叩き、王様を指差し、三人で爆笑しました
爆笑した事でちょっと気力を取り戻したおじさん一行は、2時間並びぬいて無事にバスに乗り、帰路に就いたのでした
あの時、あの王様がいなかったらきっと、気力が途切れていた事でしょう。
ちなみに…それから数年後、モンパチのツアーの沖縄公演に合わせてつっちーが来沖し、一緒に音市場でのライブを観に行ったんですが
なんとそこでも、あの時の王様がいました
謎の王様、あの時は元気をくれてありがとう
♪今日の一曲
【手作りおつまみシリーズ】
しっとりやわらか鶏むね肉と胡瓜のポン酢和え