働けど 働けど
【沖縄おじさんの人生遍歴ブログ Vol.35】
23歳の頃、フランチャイズの店舗展開を行う会社に入社しました
おじさんが配属された某ドーナツチェーンの店舗は、沖縄県で売り上げ2位の忙しい店舗でした
正社員はベテラン店主と、数週間前に入社した先輩とおじさんの3人で、ほかは全員アルバイトでした
新入社員はまず、ベテラン正社員がいる店舗で店舗運営のノウハウを学び、経験を積んでから異動し店主として店を運営するという流れでした
店舗運営するためにはまず、アルバイトがやっている全ての仕事をマスターし、その上でシフト作成や在庫管理や売り上げの計算など、正社員としての仕事を覚える必要がありました
普通のアルバイトが数ヶ月かけて覚える1つの作業を、数日で全て覚えるのは当然困難です。それでも、早く正社員としての仕事を覚えなくてはいけなかったので必然的に労働時間は長くなりました
朝5時に出勤してオープン前にドーナツを作り、その後は接客や品出し、備品補充やドリンクなどを作り、午後には在庫管理や発注を学び、夕方のピークタイム前にまたドーナツを作り、家に帰るのは21時頃という日々でした
毎日睡眠時間が短いので、常に睡魔に襲われ、意識が朦朧としていて、当然仕事のミスも起きました
当時売り出していた商品に、小さいフリッター状のドーナツにきな粉をまぶして、5個ほどスリットに入れて販売していたものがあり、それとは別の商品に、小さいボール状のドーナツに、ストロベリーチョコをコーティングしたものや、その他の種類を6個入れて販売していたものがありました
ある日、いつものように意識が朦朧としたまま作業を行っていてふと気がつくと、スクリーン一面に、本来きな粉をまぶす用のドーナツにストロベリーチョコがコーティングされていました…
当時の店舗は売り上げが高かったので、100円セールの時は、ドーナツ担当の1人は前日の深夜から徹夜でドーナツを作り続けていました
この徹夜シフトが地獄でした。昼でさえ眠いのに、徹夜での作業なんかまともに起きれるわけがありません
顔を洗って目を覚まそうとトイレに向かったら、歩いたまま眠っていて壁にぶつかった事もありました
高温のフライヤーにドーナツ生地を投入する作業の間にも何度も睡魔に襲われ、このまま寝てしまうと体ごとフライヤーに倒れ込んてしまうと危機感を感じたおじさんは、高温の油を自らの手にかけて、火傷の熱さで目を覚ましていました
働いている間ですらそんな状態なので、当時、車での通勤時も意識が朦朧としていて、中央分離帯に衝突事故をおこし、車を廃車にした事もありました
とにかく働く事でいっぱいいっぱいで、徐々に精神も肉体も摩耗していきました
家に帰る頃には疲れ果てていて、子育てをする事もほとんどなく、夫婦の会話は次第に減っていきました
そんなある日、新人として同じ店舗で働いていた先輩とおじさんの2人は、別店舗への異動を命じられ、先輩が店主、おじさんが副店主として店舗を運営する事となったのでした…
♪今日の一曲
I was walkin' & sleepin / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT