中学生にして出校停止
【沖縄おじさんの人生遍歴ブログ Vol.11】
おじさんが中学生の頃には、まだヤンキーという人種が存在し、なかなか荒れてた時代でした
おじさんはヤンキーじゃなかったんですが、小学校の頃遊んでた友達が、中学に上がるとほとんどヤンキーになりました
中学一年生の秋頃、ある日突然、特攻服を着たヤンキーの先輩達が、学校で消化器をぶちまけ、ホースで水を撒き散し、爆竹を鳴らし、ガラスを割るという暴動を起こしました
学校は大混乱で、急遽授業は中止になり、その後帰宅指示が出て、2〜3日は臨時休校になりました
今考えると不謹慎ですが、反抗期真っ盛りの中学生としては、学校への鬱憤を晴らしてくれたような気持ちになり、おまけに休校になる事が嬉しかったものです
中学二年生の秋頃には、授業中に爆竹が鳴る事が何度かありました
学校側は去年のような事態を防ぐために、爆竹が鳴ったら即体育館に全生徒を集めて臨時集会を開くようになりました
しかし、その後も爆竹は収まらず、しまいには臨時集会中にも爆竹が鳴るようになりました
そしてある日ついに、去年のような暴動が起き、二年連続で臨時休校になりました
中学三年生の秋。生徒達は去年のような暴動を期待し、学校側は警戒するという、学校中がピリピリした状態でした
おじさんはヤンキーの友達が多かったので、彼らから「今年もやるぞ」という情報が回ってきました
今思えば良くない事なんですが、当時は単純に学校が休みになるというのと、非日常的なお祭り騒ぎが好きだったので、彼らに協力しようと思いました
やるからにはこれまでにないほど盛り上げたいと思い、おじさんに出来る事は何だろうと考え、放送室をジャックしようと閃きしました
ヤンキー達にそのアイデアを伝えると「おぉ！なんか本格的ですごいやっし！」と彼らも大喜び。決行日と時間を決め、彼らと共に計画を練りました
決行日前日には、レンタルCDショップで普段校内放送では流せなかったX JAPANやLUNA SEAなど激しめの曲を仕入れました
そして迎えた決行日当日。特攻服は持っていなかったんですが、普通の制服でいるのも何か嫌で、制服の下に亡くなった親友の形見のX JAPANのTシャツを着て朝早くに家を出ました
当初の計画はこうでした
・早朝に学校に着き、脚立を二階の放送室の窓に立てかけ脱出経路を確保
・放送室に入り、扉に釘を打ち付けて、侵入経路を防ぐ
・一時間目が終わった休み時間に「我々はボイコットを行う」的な放送をした後、激しめの曲を流す
・その合図をきっかけに、ヤンキー達大暴れ。めでたしめでたし
全ては計画通りに進み、一時間目の終了を告げるチャイムが鳴りました
おじさんは意を決して、放送をし、計画通りX JAPANを大音量で流しました
気持ちはさながら「ショーシャンクの空に」のアンディの気分で、抑圧された体制に一石を投じるレジスタンスのような、そんな昂った気持ちでした
そう思ったのも束の間、突如プツっと放送の音が消えました
後になってわかったんですが、放送室以外でも操作できるようで、学校側であっけなく音を消されてしまってたようです
その後すぐに、放送室に先生たちが駆け込んできました
しかし、扉はしっかり釘打ちされているので開きません。「開けろ！」と怒鳴る先生たちの声を背に、悠々と脱出しようと窓を開けると
…脚立がない
どうしよう、もう飛び降りるしかないか、いやでもけっこう高いし下はコンクリートだし、ならパイプか何かつかめるものないか…
と考えている間に、あっけなく扉がぶち破られ、先生達がなだれ込んできて、身柄を確保されてしまいました
確保されてしまったのは残念ですが、放送は計画通りに実行できたので、自分の役割は果たした、あとは戦友達が計画を実行して、今頃学校は大混乱になっているだろう…
と多少の達成感を感じながら先生らに連れられて放送室を出ると…校内にはどこにも暴動の陰すら見えず、静かで平和そのものでした
教室移動中であろう下級生達のそばをX JAPANのTシャツを着て先生たちに連行されていくおじさん…彼らの目には、トチ狂って一人で放送室をジャックした危険人物に映った事でしょう
というのも、さすがに学校側も同じ轍は踏まず、特攻服を着たヤンキー達は校門を入った瞬間に先生達に連行され、全員体育館に閉じ込められ、暴動は起きなかったのでした
おじさんもそのまま校長室に閉じ込められ、父親を呼び出されて、自宅に連れ戻しとなりました
そしてその後…おじさんはヤンキーたちと共に出校停止をくらい、校内放送の担当から外される事となったのでした
♪今日の一曲
少年の詩 / THE BLUE HEARTS
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