親友との出会い
【沖縄おじさんの人生遍歴ブログ Vol.8】
彼の存在は小学校低学年の頃から知ってましたが、その頃はそんなに絡んだ事はありませんでした
小学校5年生の時、いつのまにか彼は片足義足になって、頭にバンダナを巻いて登校してきました。友達に聞いたら、何か大きな病気にかかり長い事休んでて、手術で足を切断したとの事でした
特に親しくもなかったので、彼の事を気にする事もなく小学校生活を終えました
中学に入ると、彼が吹奏楽部に入部してきました。パートはおじさんと同じパーカッションでした
小学校が同じという事もあり、すぐに意気投合しました。聞くと、彼は入院生活の間ずっとギターを弾いてて、ゆくゆくはバンドを組みたいとの事でした
おじさんもバンドを組みたいと思ってたので、二人でバンドを作ろうという話になりました
彼は幼い頃からピアノも習っていて、ピアノもギターもかなりの腕前でした。好きなバンドはX JAPAN。Xのギターも弾けるし、ピアノでは「ENDLESS RAIN」も弾けました
彼が入部してから、毎週土日の早朝活動は一人じゃなくなりました。大音量でCDをかけて、彼がギターを弾き、それに合わせてドラムを叩く
その時間が本当に楽しくて、二人で音を奏でている時は世の中の嫌な事が全部吹っ飛ぶような、そんな気持ちでした
バンドを組んで、プロのミュージシャンになろう、お互い本気でそう思ってました
彼は家庭環境が複雑で、祖母とおじさんと三人で暮らしていました
休みの前の日はそこによく泊まりにいって、二人でめちゃモテを見ては、「彼女欲しいなー」と嘆き、湘南純愛組を読んでは、「やっぱり彼女欲しいなー」と嘆いてばかりいました
夏休みにはおじさんの父親が、彼を連れて海や川によく遊びにいきました。彼はとても度胸があって、運動神経抜群でした。川ではターザンロープを使って飛び込んだり、泳いだり。球技なんか、両足あるおじさんよりもうまかったです
彼がいたおかげで部活も学校も休みの日もとても楽しかったんですが、楽しい日はそう長くは続きませんでした
彼の病気の具合が悪くなり、学校を休んで入院する事になり、また部活では男子一人になりました
それからは、遊び場は病院に変わりました
彼は琉球大学病院に入院していて、おじさんは休みの度にお見舞いに行きました
同じ小児科の子供たちとも友達になり、廊下で車いすレースをしたり、病院中を探検したり、夜に霊安室を探検している時に一人を置いてきぼりにするというドッキリをしたり…小児科のみんなは学校のクラスメイトより全然明るくて、ほんとに病気なんかな?と思うくらい、いつも笑いが絶えませんでした
半年ほど経った後、晴れて退院となり、また学校や部活や休みの日に一緒に遊ぶ、楽しい生活が戻ってきました
彼は部活でも人気者でした。いつも彼の回りには女子が集まり、楽しそうに話してました
なんと言うか、片足だったり、髪の毛がない事って普通はハンデになると思うんですが、彼を見てるとそれらがむしろプラスになっているように思えて、うらやましいとすら思いました
二年生になる頃には、父親に連れられて一緒に教会にも行くようになりました
彼の体調はなかなか安定せず、入退院を繰り返していました
後になって彼のおばあさんから、足を切断した時の話を聞きました。事前に伝えていたそうなんですが、術後麻酔から覚めた彼は、無くなった自分の片足を見て、「どうしたの、これ」と聞いたそうです。そこでもう一度、病気を治すために切断したと伝えると、「わかった」と言い、弱音や泣き言一つ言わなかったそうです
小学五年生の子が。今思うと、本当にすごいと思います。
今思い返しても、彼が弱音を吐いているのは一度もなかったです。その前向きな性格故に、みんなから好かれていたんだろうなーと思います
ちょっと長くなるので、今日はここまで
後半に続く(まるちゃんのナレーション風に)
♪今日の一曲
ENDLESS RAIN / X JAPAN