ひと夏の経験
【沖縄おじさんの人生遍歴ブログ Vol.4】
今日は、小学生の頃におじさんが体験した印象的な出来事について書こうと思います
小学3年生の頃、学校の生徒が、赤痢に感染しました
赤痢とは何ぞや?という方のために…
赤痢(せきり)は、下痢・発熱・血便・腹痛などをともなう大腸感染症である。 俳句では夏の季語として扱われる。古称は血屎(ちくそ)。従来、赤痢と呼ばれていたものは、現代では細菌性赤痢とアメーバ性赤痢に分けられ、一般的に赤痢と呼ばれているものは赤痢菌による細菌性赤痢のことを指す。
↑Wikipediaからの引用です
どうですか。古称は「血屎(ちくそ)」ですよ。おっかないでしょ
赤痢は、戦後に大流行した感染症で、基本的には発展途上国とか、衛生的に問題があるところで起きるらしいです
もちろんおじさんの小学生時代は、戦後ではありません。なので当然、世間は大騒ぎ。新聞でも報じられました
当時は今のようにお店や街中にはアルコール消毒液なんかありませんでしたが、学校の手洗い場には消毒液が置かれ、水道から水を飲む事が禁止になり水筒持参になりました
そんなある日、担任から「今日は赤痢の検査をします」と宣言されました
小学生にとって検査なんてイコール注射です。ましてや、大人があれだけ騒いでいる未知の病の検査なんて、どれだけ痛いんだ…と、当時のおじさんたちの感覚としては、「今から皆さんに殺し合いをしてもらいます」と宣言されたぐらいの衝撃でした
その後、担任からひとりずつ名前のシールが貼られたシャーレ(理科とかで使う円形状のトレー)を渡され、「体育館に行って、お医者さんに名前を言ってこれを渡すように」とだけ言われ、わけもわからないまま体育館へ向かいました
体育館に行くと、複数の列があり、その先の検査をしているであろう場所はカーテンで仕切られてて様子を伺えませんでした
検査を終えて出てくる友達たちに「どうだった?痛かった?」と訊くと、誰もが遠い目をして黙りこくって、何も答えてくれませんでした
友達のその様子に、より一層恐怖感が高まり、最初は騒がしかった行列も、前に進むにつれみんな無言になり異様な雰囲気でした
いよいよおじさんの番になり、謎のベールに包まれた検査室に入りました
そこにはお医者さんと、助手らしき看護師さん、ベッドが1つ
担任に言われた通りに、名前を伝えシャーレを渡したら、お医者さんが、「ベッドに上がって四つん這いになって」と言い、言われたままの格好になりました
次に、「ズボンとパンツを下ろして」と言われ、「えっ?」と言った瞬間、看護師さんがおじさんのズボンとパンツを一気に下ろしました
次の瞬間
「ヴッ」
突然、お尻に棒状の器具を突っ込まれ、お尻から脳天まで突き上げるような衝撃が走りました
一体、何が起きたんだ…と思った瞬間、「はい、終わり」とのお医者さんの声に、我に返りました
そそくさとパンツとズボンを履いて検査室を出ると、えらいもんで、子供ながら何か大事なものを失ったような、なんとも言えない気持ちになりました
列に並んでる友達たちから「どうだった?」と声をかけてられましたが、ついさっきまで同等の立場だったはずの友達が、今となっては不思議とガキっぽく見え、何も話す気にはなりませんでした
検査後はお尻の痛みがひどく、きっと血が出てるだろうと思い、すぐにトイレに直行しました
すると
トイレは今までに見た事ないほど、個室待ちの長蛇の列ができていました
みんな無言で、もじもじしながら内股で並んでる、それはそれは不思議な光景でした
おしまい
♪今日の一曲
ひと夏の経験 / 山口百恵